森に抱かれた工房と住まい
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minka/minka(規格型住宅)
奈良秋篠の家
隣接する神社の鎮守の森に抱かれた工房兼住居です。
深い緑のある北側に対して住まいを開くことで決して大きくはない敷地に広がりをもたらすよう計画しています。
北側であっても大きく開くことで一日を通して安定した明かりが確保され、また北側に設けた庭は建物が強い日差しを遮ってくれるため、一年を通して穏やかな環境を享受できます。
南の光を受けた神社の緑は瑞々しく、住まいのどこからでもその潤いを感じることができます。
この住まいでは四畳半のグリッドで構成された構造計画を最初に行い、その中でプランを展開しています。
それにより建物全体は単純かつ明確な骨格を持ったものとなり、空間には筋の通った強さが立ち現れます。
住人が思い思いに過ごす建築において、空間はそれを懐深く受け入れる強さが大切だと考えています。
基礎は土中の環境負荷を最低限にできるようグリッドに則った独立基礎としており、大型車のアクセスが悪いこの場所においてはコンクリートの使用量を下げることによるコストダウンも図っています。