JOURNAL

裏山整備

2024.02.14

裏山整備
いよいよ本格的に裏山の整備を始めました。
私たちが住み、働く場所の裏山は土砂災害の危険性があるとされており、その為の対策の一環として裏山に生える樹木の間伐を始めました。
こうした整備についてどんぴしゃりまとめた書籍というものはなく、様々な文献を漁っては裏山を眺め、対策を練りました。
詳しくは一度noteにでもまとめたいと考えているのですが、調べたことを箇条書きにするとこんな感じです。
・樹木による土壌緊縛効果が期待できるのは表層崩壊に対してのみ(国道斜面崩壊データのほとんどは表層崩壊)
・森を皆伐してから10~15年後が一番土砂災害の危険性が高まる(伐られた木の根が腐り、新しい木々がまだ未熟なため)
・樹木を間伐することによって残した樹木の生長を早め根の発達を促す
・裏山にある緊縛効果が高い樹木はケヤキ、クヌギ、コナラ、クリ、ウバメガシ(統計上広葉樹で根系効果の大きいことを示す事例が見られる)
・垂直根による杭効果も大事であるが、水平に広がる根によりすべり面を厚くすることが有効
・中生層~古生層に形成された地層においては崩壊の危険性が低い(我が家の裏山は中生層)
・樹木の根が基岩層にまで達し、岩の割れ目に根が入り込むことによって緊縛効果は高まる
・表土流出を防ぐことで基岩層の風化を防止
・下層植物を繁茂させることで表土流出は防げる
・下層植物を繁茂させるためにも間伐を行い地面に光が当たるようにする
・笹は植物の遷移を妨げる

その上で取るべき対策は割とシンプルで、笹を伐り、選定伐による間伐を行う、となります。
裏山整備

実は割と最初から想定していた結論通りではあるのですが、ここまで理解して取り組むのと、ある意味やみくもに取り組むのでは同じ行為でも全く違うものです。
作業をしながら色々と状況を見て、勉強したことの実際を目で見て確認することになります。
そうなってくると行く先々で山を眺めてはあれやこれやと話が弾みます。ちょっと崩れている斜面があると、その土の色を見たり、植生を見たり、角度を見たり。
元々勉強はかなり嫌いなたちですが、裏山から勉強を始めると何でも頭に入ってくるものなのが不思議です。
「裏山」ということを比喩として使うと、何でも身近な「裏山」のようなことをに興味を持ち、大切にしていくことでよりよい社会ってものはできるのではないか、と今こうして書きながら改めて思います。
裏山整備
 
 
エイチ・アンドは神戸と篠山を拠点に活動する建築設計事務所です
神戸事務所:兵庫県神戸市魚崎北町5-3-16-307
丹波篠山事務所:兵庫県丹波篠山市東吹
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