JOURNAL

ちょっと天井裏を

2019.03.20

神戸岡本の家では一部天井を解体し、天井裏の確認を行いました。
肩幅くらいの穴をあけ、そこに頭を入れて覗いてみます。
神戸岡本の家
天井を開く前にはここにこう通っているだろうと思っていた梁が無かったり、逆にそんなところにこんな大きな梁が、となったりします。
そもそも施主さんからすると、うちの天井ってそんな物が入ってそんな風になっていたんですねとなるのですが、お話を更に聞いていくと以前は二階がここでこうなっていましてね、だからここにこうなのかも・・・となってきます。

神戸岡本の家では既存の一階天井をすべて剥がし、二階の床を支える梁を現しそれに手を加えていきます。
周囲を屋根が重なるくらいの距離で隣家に囲まれて居るため、二階の床の一部を透過性のあるものとし、屋根に新たに設けられる大きなトップライトからの光を一階へと導きます。
梁自体を生かした一階の天井の意匠のために、そしてトップライトからの光を導くためにも二階の床がどのようになっているのかがとても重要です。
改修というのは予期できない不確定要素が多いため、全てがこちらが予め描いていた通りに事が進むとは限りません。
というと厄介なものに思えますが、ある意味では自分たちが決めたのではなく「決まってしまった」部分を多分に含んだ結果が生まれます。
だからこそ普段自分たちだけでは考えつかない、辿り着かないものが最終的に立ち現れることへも繋がります。
私たち以外の「人格」との共同作業とも言えるのかもしれません。
それが改修の醍醐味だと感じています。

エイチ・アンドは神戸と篠山を拠点に活動する建築設計事務所です
神戸事務所:兵庫県神戸市魚崎北町5-3-16-307
丹波篠山事務所:兵庫県篠山市東吹