JOURNAL

2014.05.26

一年の中で一番好きな季節は?と聞かれたら迷いなく「春です!」と答えたくなる、そんな一日。
暑くも寒くもなく身軽で居られ、蚊もまださほど居ない。
建築で言うと外と中が全くつながっていてもOKな時間が流れている。
突然だがエチオピアの気候は雨季以外は雨が降らず毎日青空で、標高が高いために気温も高すぎず低すぎず、そして蚊も居ないパラダイスであった。
この日本の春の陽気との唯一の違いは強烈な日差しくらいだが、木陰がとても気持ちが良かった。
しかし日本の春のひとときに感じるほどの心地よさを、エチオピアでの二年間で感じたことがあるかというと無かったと明確に記憶している。
これは緑あふれる日本の風土ももちろんあるけれど、寒すぎる冬から暑すぎる夏へと登って行くある一点の「通過点」としての一日か、ほぼ一年中横ばいの、対比するならば「線」のような毎日というはかなさにその違いを生む秘密があるのではないかと思う。
こんな春の日が毎日続けばいいのにと思う度に、実際毎日それが続いていた二年間を思い出し世の中そんなに単純ではないな、と自戒する。

Photo: Approach of Asahi beer Oyamazaki villa museum of art.