JOURNAL

出会いの中から見つかるもの、生れるもの

2019.04.17

神戸岡本の家の天井仕上の検討のため姫路は川西銘木さんへ。
天井板の他窓の枠廻りから床材、色々な加工をお願いすることになっています。
改修予定の建物のある場所のことやそこで暮らすこととなるクライアントご夫婦の人柄などを思い描くと、天井は単一のシンプルな素材よりも数種類の無垢の板材をパッチワークのように古い梁の間に施工したいと考えていました。
しかしそうなるとコストが上がることが頭を過ぎります。
そこでコストのことも含めて大工さんに相談したところ、必要長さ以上の分が切り落とされて余っている半端な材料が銘木屋さんにはあるはず、ということに。
川西銘木さんにも相談したところ、快く「こちらとしても使ってもらいたい材料がありますよ」、という流れになりました。
実際に作業されているところを見学させてもらい、高い天井のしかも三階建ての倉庫には多くの材が並んでいて圧巻でした。(写真を撮っておらず残念)
余っている材料の山でも見せていただく程度で考えていたのですが、わざわざイメージしやすいよう定尺にカットしてくださっていたり、更に短いものもご用意してくださっており持ち帰りやすいように、と。
国産の杉や桧を始め、タモ、メルサワ、クス、米栂等々こちらのイメージ以上の表情を見せてくれている材料を見ながら、そういった気配り、そして何かとても大事な部分で意識を共有できていたのではと感じ鳥肌が立ちました。
天井板
「大きなメーカーさんのように沢山のものを一気に作製するのは得意ではありませんが、出来るだけ要望に応えられるように少ない量は作製できます!」と教えてもらいましたが本当に一緒になって様々な角度から考えてもらえると自分達だけでは出て来なかったアイデアが出て来ます。
木のことは木の人に聞くのが一番、とは思うのですがここで同じ方向や価値観を共有するって中々難しいことだと思うのです。
逆にその部分をお互いに探り合って信頼関係が生まれると、互いに互いの予想を超えたものを導き出すことにもつながります。
関わる皆の得意な部分が出せる現場にすることは最終的な建築に結果となって表れるだろうと感じています。
神戸岡本の家ではこのちょっと前にもとある左官に関わる出会いがありました。
そのことについてはまた改めて。

エイチ・アンドは神戸と篠山を拠点に活動する建築設計事務所です
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丹波篠山事務所:兵庫県篠山市東吹