JOURNAL

美しさ

2024.05.23

寒い日が続いたせいで生育がバッチリではないですが、稲たちが育ってきました。
田んぼ

稲が育つということは他の植物=雑草たちももちろん育つということで、田植えから5日置きにチェーン除草という除草法で雑草対策をしています。
私たちが外で作業をしていると不思議と外に出てくる子供たち。この日は水面に発生する藻を網で除去してもらう任務を与え、ある程度の役目を果たしてくれました。
チェーン除草は短いチェーンを50本ほど取り付けたパイプを田んぼの中で引きずるべくひたすら畦から綱引きのように引っ張る作業なのですが、身体は引っ張りながらも目線は山へ向いたり、子供たちに向いたり、遠い夕焼けに向いたり。
なんて世界は美しいのだろうと思うと共に、もうすぐ来るであろう梅雨、そしてその後の暑い暑い夏にほんの少しの憂鬱も覚えながら、また美しさに浸ります。
年中初夏のように気持ちの良い国にしばらく住んだことがありますが、快適ではありますがこの憂いを伴った美しさはあまり感じなかったなと記憶しています。
季節が巡ることでもう出会えないかもしれない瞬間という儚さを伴って風景を見ているからなのか、日本の風景には独特の美しさを感じます。
その美しさの中身を考えてみると、少しの哀しさが入っているように感じるのです。
哀しさというのは避けたい感覚のはずなのですが、同時に物事に美しさを添える大事なスパイスなのだろうなと思います。
とかなんとかそんなことを考えたり、考えずにただ眺めていたりの小一時間、チェーン除草はそんな時間です。
子供たちもどんどんと成長してしまうからこそ今が愛おしい。子育ては毎日色々とありますが、このくらい遠くから見ているとそんな愛おしさだけが純粋に胸に届いてきます。