JOURNAL

妻面

2019.01.25

栗東の家へ。
景色に向かって開く場合は軒先方向に開き、その軒を延ばすことで陰影のある落ち着いた空間ができる・・・
この家の計画をするまではそう信じ、そう設計してきました。そして今まで設計してきた上ではそれが正解だったと感じています。
栗東の家ではメインのLDKから軒先とは直角方向になる「妻面」へ向かって大きく開いています。
栗東の家
妻面の説明はWikipediaに任せるとして・・・
妻面へ開くと軒先方向へ開く場合と比べて中にいる時、半外部空間に居る時に開放的に感じ、時に落ち着きや安心感までも失ってしまうこともあると考えています。
ただこの場所、このクライアント、ということを考えたときに理屈抜きにここは妻面へ開くべき、と感じました。
恵まれた敷地環境はもとより、亡き祖父と同じようになるべく外で生活したいというクライアントの持つ明るい家族の雰囲気が大きく影響していると感じます。
ただ妻面に開く場合は先端の屋根の高さが高くなるので半屋外空間の奥行きをいつもよりも更に深めに取り、ある程度の落ち着きも空間に残しています。
計画段階で散々イメージパースを描いてそのバランスを検討しましたが、出来上がっていく現場でそのスケールを確認しこれで良かった、と改めて感じています。

木製建具が多いこの現場、枠を納めていくだけでもかなりの時間を要するためじっくりと進んで行きます。
床には図面で寸法を指示した枠材がずらりと並び取り付けられるのを待っています。
栗東の家
各開口部ごとに部材リストと共に梱包された枠材。
栗東の家
春の完成に向けて進めてまいります。
栗東の家

エイチ・アンドは神戸と篠山を拠点に活動する建築設計事務所です
神戸事務所:兵庫県神戸市魚崎北町5-3-16-307
丹波篠山事務所:兵庫県篠山市東吹