JOURNAL

手作り

2014.06.17

考えて考えて考えて、でも最終的に自分たちが実体として作れるのはどうやってそれを作るかを示した説明書、ちょっと乱暴だけれどもそれが建築設計という仕事だと思っている。
なのでたまには実際に自分で手を動かして実体のあるものを完成させたいという欲求に駆られるときがある。
とかなんとか理屈っぽく言ったものの、要は自分が日曜大工的なものが好きなのである。
かといって家に今どうしても必要な家具はないし、例え作ったとしても邪魔になるかもしれないし、と思っていたところで出会ったのがこのスプーンの「原型」。
大まかには形が作られていて、これを削って仕上げるだけという一番おいしいところだけを楽しめる。
様々なやすりがスプーンと一緒に透明な袋に入っており、それだけでお好みのスプーンが仕上げられる。
ちなみにあと必要なのはひたすらやすり続ける根気だけ。
必要な道具すべてが一袋に入っているけれど、これだけは袋に入っていない。
そして一番大事なのがこの入っていないもののようだ。
机の上に転がっている途中までやすられたスプーンが目に入る度にそれを痛感する。

Photo: Walnut spoon which to be curved…?