ジュエリー作家さんの工房兼ギャラリー兼カフェの古民家改修では工事が進んでいます。
この写真では根継ぎと言って、傷んだ柱の足元を新しく付け替える作業を行っています。
継手にも色々とあり、この柱に使われる継手は「金輪継」という継手です。
屋根や床を支える梁材は上下方向の力に対して力を発揮するよう考えられており、こちらの金輪継は一方向だけでなく全方向からの曲げに対して力を発揮するよう考えられており、柱の根継ぎの継ぎ手によく使われています。
ちなみに見えてこない場所では合板とビスを使った継手という方法もあり、コストを下げるために部分的にそういった継手を併用することもあります。

このことをブログに書こう書こうと写真を整理している間に実は現場はこの写真よりも大分進み、今は実際には柱は全て入り、補強の差し鴨居（梁）の施工も完了している状況です。
新築の現場はゼロから立ち上げるのでそれはそれで凄いなと思いますが、改修、それも古民家の現場へ行くと大工さんのかっこ良さは数割増しに感じます。
目の前に難題が実物として立ち上がっていて、それを難なく乗り越えていく様がそう思わせるのではないかと。
この写真だと大工さんは黙々と作業に打ち込んでいるように見えますが、実際には「流石大工の腕がええわぁ～！・・・って誰も言うてくれへんから自分で言うてまうやんけ！」とか言いながらさらりと凄い作業が進んでいきます。

現場が進んできたことで期待していた茅葺集落への景色の抜けが感じられるようになり、施主さんとしばし眺めて出来上がりへの思いを馳せました。

エイチ・アンドは神戸と篠山を拠点に活動する建築設計事務所です
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