JOURNAL

最寄りの案件

2017.05.30

うちから二軒隣(と言っても100m以上先ですが)の新築計画。
恐らくはこの先しばらくは破られないであろう最寄り記録。
移住してきてから畑の事や薪の事で世話になっている地元育ちの友人が、自分で建てる家の為の設計打ち合わせ。
友人がうちの隣の隣で、しかも自分で建てる家。それを設計するのは我々。これ以上なくローカルな案件です。
それが本当に気持ちがいい。
色々なことが実にシンプルに進みます。
彼は農業の傍ら林業もしている為、使用する杉やヒノキといった材料はもちろん自分で伐採してきた物。
工業製品もなるべく使わず、断熱材も藁や籾殻を用いるなど、家全体を構成する材料には彼自身の身の回りにあるものを極力使用します。
プロが作るわけではないのでここはこうした方が本当はいいけれど彼に作れるかな、と考えながらの図面作成でした。
凝ったことができないということはおのずと色々をシンプルに考え、納めなくてはいけません。
それが最終成果としてどのように立ち現れるのか、今から楽しみです。

アフリカでの経験や独立してからの経験、そして篠山に移住してきてからという一連の流れの中で、いかに物事をローカルに納められるか、ということが大事なファクターだと感じています。
これは物理的な距離という意味でのローカルには必ずしも限らず、自分や相手というお互いが責任を持ち合える関係、距離感の中で、という意味合いで自分たちとしては捉えています。
ローカルに物事が納まると足りない信頼を補填する必要が無くなったり、何かあったとしても伝えやすい、行動しやすい、そして問題があった場合に人のせいにせず、お互いがお互いの問題として解決に向けて協力する傾向があると感じています。
信頼できる人の作った物にはもちろんより一層の愛着がわきますし、そして何よりそのような距離感の人間に囲まれていると、不思議と何をしていても楽しいものです。
それが人生の醍醐味、というと言いすぎかもしれませんが大変大事なところだと実感しています。

彼の家は出来上がった図面を元に、しばらくは彼と納め方の詳細を検討していきます。
完成はまだまだ先ですが、乞うご期待。

Photo: My friend and I are having a discussion about his new house which is going to be built by himself.