JOURNAL

神戸市西区の家 庭の検討

2019.03.28

eni堀江さんと計画中の神戸市西区の家、庭についての話し合い。
神戸市西区の家
堀江さんとの考える作業は主体があちらでもこちらでもなく、互いの間に主体が存在して何かが出来上がっていくという感覚があります。
それだけに出来上がった庭にも無理がなく、自然と腑に落ちる物となっているのかもしれません。
この家は田畑に囲まれた立地ではありますが、ご両親の住む家と同じ敷地に建つこと、ご両親が貸し農園をされているため敷地内に割と来客があることなど、ただ周囲の風景に対して開くという訳には行きません。
そういった中での閉じ方、開き方、そして建築内部からの緑の距離感や視線の向くべき方向、田畑と言った借景との付き合い方を含めて話し合いました。
堀江さんとこの日一番話に上がったのは庭との「距離感」。
物理的な庭との距離に限らず、今は都会のど真ん中で暮らすご夫婦がここへ来て庭と違和感なく付き合い、また自然と庭に足が、目が向くようになるにはどのような高さ関係や見え方、そして素材が良いのか。
デッキを広くとれば靴を履かずに自然と人は外へと導かれるような気がしてしまいますが、今回はデッキで施主さんがまったりとしている姿は余りしっくりと来ない。
それよりはデッキの大きさはそこそこに、庭の芝生の中に石を敷き、そこにテーブルを置きデッキに腰かけられる方がいいのではないか、等々。
これから実施設計に入り、その後は工事が始まると皆出来上がっていくものを見ながら今まで気が付かなかったことや感じなかったことを自然と考え始めます。
また決め切れなかったことに自然と答えが出て来たり。
庭も今の時点で机上での結論は無理に出さず、そして次回施主さんに会う時にも無理に結論は出さず、最終的には方向性を皆で共有しながら決まるべき時に物事が決まっていくように考えています。
最近は「決めるべきこと」が自然と「決まってくる」という作り方に目が向いています。
その心は、と聞かれるとまだ言葉にはできていないので、これまた出てきたころにここでお話しできればと思います。
神戸市西区の家

エイチ・アンドは神戸と篠山を拠点に活動する建築設計事務所です
神戸事務所:兵庫県神戸市魚崎北町5-3-16-307
丹波篠山事務所:兵庫県篠山市東吹