JOURNAL

高砂市にて踏査

2020.03.02

篠山で進めている住宅計画に続いて今度は兵庫県高砂市でこれから始まる住宅計画の施主さんと敷地周辺を踏査してきました。
高砂市にて踏査
1888年の地形図、1947年の空中写真、そして現代の地理院地図を同じ縮尺でフォトショップ上で重ねた資料を用意し、この日を迎えました。
ちょうど60~70年置きの三つの資料となるのですが、1888年から名残のある道や地形、名残のない地形、家のあった場所や無かった場所が一目瞭然となり準備段階で色々な疑問や気になる点が浮かび上がってくると共に、あくまでも平面的でありながら敷地周辺の地理や地形が頭の中で地図ではない実感として広がって行きます。
一通り資料をまとめていくうちに施主さんと回りたい踏査のルートが決まってきて、最後にトータルの時間を計算して今日の踏査に臨みました。
ハザードマップ上では浸水域に入っている敷地ということで浸水対策を既に施主さんと話し始めていたのですが、川沿いを歩いて行くと出来立ての護岸整備が見られ少し安堵したり、まるで離島で見られるような比較的昔の面影を残す集落があったり、山からは敷地周辺から神戸までを見渡せたり、途中で会った方に色々と教えて頂いたり、敷地のそばを通っている道が旧山陽道である西国街道ということが分かったり。
今日まで抱いていたいくつかの疑問が解けながら、新しい疑問も生まれ、施主さんと考察してみたり。
実は気が付けば行程の半分以上は山道だったのですが、とても有意義な一日でした。
高砂市にて踏査 高砂市にて踏査 高砂市にて踏査 高砂市にて踏査 高砂市にて踏査 高砂市にて踏査そして何よりも良かったのは道中での施主さんとの他愛もない会話や、施主さんご夫婦の本当に仲の良いやり取り、掛け合いを感じられたことでした。
「風土」というキーワードで廣瀬俊介さんの手引きで始めさせて頂いたこの踏査という作業、まだ風土ということに自分としてどう結び付けられるのか判然としない部分が多分にあります。
ただ同じく廣瀬さんがワークショップでおっしゃっていた「地域を肉体に入れる」ということ、そしてその時に自分が言った「施主さんを肉体に入れる」(若干気持ち悪い言い方なのは承知)ということは施主さんとの踏査を通して実行できて来ているのではないかと思います。
山登り好きな施主さんご主人に対し、余り山登りがお好きではなかった奥様に無理にお願いした山登り中心の踏査。
どうでした・・・?と聞いたらそう言い終わるや否や「楽しかったぁ!」と言ってもらえたのが本当に嬉しかったです。
ビジネス的には夫婦して時間ばっかり掛かる方向にどんどんシフトして行っていますが、その時間が有意義であれば良いではないか、と気にせず突っ走って行きたいと思います。
本当に楽しい一日でした。

エイチ・アンドは丹波篠山と神戸を拠点に活動する建築設計事務所です
神戸事務所:兵庫県神戸市魚崎北町5-3-16-307
丹波篠山事務所:兵庫県丹波篠山市東吹