JOURNAL

現場

2015.07.30

「趣味は散歩」と公言しているつもりの私達。
海外旅行に行くと〇〇教会とか〇〇の搭とかいうスポットそのものもいいですが、有名スポットの輝きの陰で見過ごされそうな何気ない周辺の街並みに興味があります。
もっと言うと、そんな有名スポットでもなんでもない「普通の街並み」をひたすら歩くのが好きです。
たまたま友達が住んでいる田舎街だったり、ひとつだけとても気になる建物があってたまたま訪れた普通の街だったり。
観光客が喜ぶように努力された街ももちろん魅力的ですが、観光客の方を向いていない街こそ飾らないその国の人々の本当の価値観が現れてくると思うのです。

この仕事をしているとなんてことの無い住宅地に結果として長い期間通い詰めることになります。
なんてことない街は通い詰めることでさらに自分にとってもなんてことなく感じられてくるのですが、現場が終わってもうそこに行かなくなると、後からじわじわとその「なんてことなさ」の中にある地域ごとの特色が現れてきます。
旅行から帰って来てからじわじわといろいろ感じる様に。
それが個人的にはこの仕事の密かな楽しみです。
写真は生駒の現場。
竣工するときには見えている家はてっぺんくらいしか見えなくなり、やさしいかたちをした「対岸」の丘をのんびりと楽しめるようになる予定です。
生駒はすでにとても良い印象を持っていますが、これから現場に通いつめ、竣工したときには何が心に現れてくるのでしょうか。

Photo: A site under construction in Ikoma, Nara.