JOURNAL

二期工事スタート

2018.04.10

とあるガラス作家さんのギャラリーでは二期工事が始まっています。
今日は大工さんとのキックオフミーティング。
全体の考え方や仕上げ、残す部分や交換する部分等大枠が解体された現場にてスケッチも交えて話し合いました。

解体後の構造チェック。ここは柱、梁共に大分シロアリにやられており、大工、工務店社長、そして我々と一旦途方に暮れているところです。
都度場所を移動してはこれどうしようと一旦途方に暮れながら、最後には落としどころを見つけて納めていきます。
この時機能的に、構造的にうまくいく落としどころを考えながら仕上がった際の見え方にも気を付けなければいけません。


この部分の壁は石膏ボードで覆い、きれいな白い壁としていきます。
全体の中で既存の柱の見える壁=真壁となる空間と、恣意的に作り込んだ白い空間とのコントラストのある空間となる予定です。


柱が腐っていたりシロアリに食われていたところは一旦柱を抜き、鉄のサポートを入れて仮に支えます。
この向こうに見える空間は以前から外のような中のような定義できない怪しくも不思議な空間が広がっていました。
そこから怪しさを少し取り除くために屋根を透明にし光を取り入れ、外部の展示空間として計画しています。


エントランスを入ってすぐの通り土間、間仕切り跡の溝はもう少しきれいに整え、砂利を入れます。
もし土間を新しく打つ場合はフラットに、そして目地も目立たぬよう入れます。
でもコストの関係であったり、どうしても取り除けない物であったりがリノベーションには無数に存在します。
一瞬邪魔だなぁ、と思うと同時にどうにかこれを生かせないかと常に考えることが必要になってきます。
そうするとそれがゼロからでは考えつかなかったアイディアや形と出会えるきっかけとなるのです。
自ずと我々も新築とリノベーションでは考え方が異なるため出来上がる物も変わってきます。
リノベーションだからできること、出会える空間というものがそこにはあると考えています。


我々との打ち合わせを終え、大工同士で図面を前に検討中の図。
リノベーションはイレギュラーなこと、不整形なこと、予期しないことにより新築に比べて大工の力量が求められます。
我々があんなそんなを自由に考え、形にできるのも腕利きの大工が居てこそ。
大工さん方、これからしばらくの間、よろしくお願いいたします。

エイチ・アンド一級建築士事務所
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