石積み集落での踏査
住宅の計画の為に石積み職人で有名な地域での踏査を行いました。
全国のお城の石積みの多くはここの職人たちが積んだり指導したと言われており、その地元には田んぼの畔を含めてそこかしこに石積みがあります。
積みやすいように石を一つずつ加工して積むのではなく、自然石をそのまま積む技法が特徴ということで、硬い石ではありますがどこか素朴な印象が町全体に流れています。
こんな景色の中だと中学生が歩いている姿がなんだかとても楽しそうに見え、どの曲がり角もその先がどうなっているのだろうとつい覗いてしまうようなワクワクする街並みが続いています。
四段に渡る棚田を宅地に変える今回の計画、これは石を積まない手はないですね!と言いながら施主さんとひとしきり歩きました。
踏査では自然災害の危険性のリスクを体で感じるためにも敷地近くを流れる沢を水源方向に上がり、実際に目で見て確認したりもしています。
水源を見たからと言ってリスクの大小が図れるわけではないのですが、豪雨が降った際に溢れる可能性があるこの沢を見たことがあるのかないのか、闇雲に不安になるのではなく実感としてその場所を知っているということは大きな違いがあるのではないかと思っています。
また道路から見える沢を見てこれは危ないぞという判断も、普段を知っているからこそできるのではないかと思います。
この日は雨はなく晴れ、沢を登ってみると流れは小さくかつ緩やかでとても気持ちの良い場所で、夏はここで遊べるなとか、息子さんが喜ぶだろうなとか、楽しい想像も広がります。
そしてたまたま先へ進むとその石垣の町の職人頭のお墓があり、正に敷地の近くが彼の家であったことも分かったり。
観光地ということもありたった一日では網羅しきれないほどの情報があり、いつも以上に過去から今が連続していることを心身ともに感じる有意義な踏査でした。
神戸事務所:兵庫県神戸市魚崎北町5-3-16-307
丹波篠山事務所:兵庫県丹波篠山市東吹
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