JOURNAL

ちょんなの柄

2017.12.23

元々既製のレバーハンドルを予定していた生駒の家の玄関ドア。
クライアントの希望で一時流木に変更となり、それならばと現場よりちょんなの柄はどうかとの提案があり、晴れて採用となりました。
曲がったステッキみたいのがそのちょんなの柄、横に置いてある板がちょんなで加工された板です。
ちょんなとは元々は材木を粗削りするための道具で、時にはあえてちょんなで仕上げた粗さを生かした意匠もあります。
聞けばクライアントもたまたまこのちょんなを現場で見かけたときに、この柄がいいなぁと思っていたとのこと。ならば話が早い。
クライアントからこうしたいという変わった要望を頂くことはもちろんうれしいものの、それが現場の職人さんから出てくるのは初めての経験です。
施工、クライアント、設計の気持ちが一体となっているような不思議な満足感がありました。
満場一致で決定したちょんなの柄、しかしどの向きに取り付けるかというところで意見が散り散りに。
まあ玄関ドアが取り付いてからみんなで改めて悩みましょう、ととりあえずは先延ばしにしました。
あれやこれやと無いものを前に想定するよりも、目の前に実物の仕上がりが見えれば見えるほど物事は決まりやすくなるもの。
大分先とはなりますが、それまでちょんなの柄×2は現場で大事に保管しておきます。

Photo: A Japanese hand ax’s handle which will be a handle of the entrance door.

エイチ・アンド一級建築士事務所
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