春の訪れ
本日は金曜日、月書房は16時より開店しています。
@tsukishobou
木々の葉が落ち、光が弱まり、草は枯れ風景から色が抜け、そろそろこの風景にも飽きてきたなと感じてきた頃に、いつもゾゾゾっと色々なものが動き出します。
そういえばあなたたち居ましたね、という草たちが出てきたり、芽が出てきたり、光が強さを取り戻したり、虫や蛇が出てきたり、鳥が帰って来たり。
いつまでもこのままじゃなかろうかとのんびり冬を過ごしていたわけでは無いつもりなのですが、そうなってくるとこの冬にやっておくべきだったことはやれていただろうかとソワソワしてきます。
行列のできるレストランの開店直前、春が行列を作ってドアの外で待っているような感覚に近いかも知れません。しかも開店しているつもりはないのにお客である春はどんどん少しずつ席について行っているという感じと言いますか。焦りますよね。
薪は割り終わったのであとは使って空いたところに積むだけだ、山の木の間伐はある程度できた、これは植えるぞという作物は植え順調に成長中、裏山の竹を伐って田んぼの為の竹炭は作った、笹との格闘は継続中、家の気になるメンテナンスは済んだ、などなどひとつずつ確認し大方片が付いていることを確認します。
あとは田んぼに残っている残りの竹を燃やして炭にできればとりあえず・・・と思っているうちに気が付くと開店時間は過ぎており、田んぼのことや草刈りなどなど、今年の営業が始まります。
映画監督の是枝監督が確か外国人の批評家から、是枝監督の撮影する映画には何かが巡ってくる、ということを感じると言われたと本の中で言っています。
是枝監督はこれは日本の四季から来ている感覚なのではないかと言っていました。
日本、香港、アメリカ、エチオピアと住んできましたが確かに日本に居るときが一番「巡る」ということを感じている気がしています。
45年=16425日の人生が連続してずっと続いて来たというよりは、同じようなものが形を変えながら45回巡って今がある、という感覚。
そして更にその感覚は9年前に篠山に来てからは年々強くなってきていると感じています。
だから何だという話なのですが、その場所でしか持ちえない感覚を常に、それも存分に携えて生きていくというのは何においてもとても大切なことだなと気が付く毎日です。
エイチ・アンドは神戸と丹波篠山を拠点に活動する建築設計事務所です
神戸事務所:兵庫県神戸市魚崎北町5-3-16-307
丹波篠山事務所:兵庫県丹波篠山市東吹36-1
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