石川直樹さんTALK EVENT
2025年2月25日、丹波篠山アトリエに於いて石川直樹さんのTALK EVENTを開催しました。
子供の回に来てくれたのは顔見知りの子供たち。
普段はやんちゃな彼らが40分ほどの石川さんのお話ひとつひとつをじっと頷きながら、真剣な眼差して聞いていました。
山の話はもちろんのこと、手でご飯を食べる国があることなどを例に挙げて自分たちの当たり前は当たり前ではないよ、という言葉などは子供たちにどう響いたのか。
真剣に話を聞く彼らの背中に明るい未来を垣間見たと感じています。
大人の回で特に印象に残ったのは、石川さんがどんなときにシャッターを切るのか、という質問に対する答え。
とにかく「わ!」と思った時、というように瞬間的に直観が動いたときにシャッターを切る、というお話。
その瞬間に頭で考えている暇はないはずで、どういう瞬間に自分の心が動くのかはその瞬間までどう生きてきたか、何を考えてきたかによって生み出される衝動です。
山での体験や写真を中心にお話をされましたが、民俗学に造詣が深く、またバナキュラーな建築や暮らしの写真や文章を沢山書かれている石川さんの心が撮った写真だから、山の写真により惹かれるものがあるのでは、と思いました。
そして同時にそんな中々人が訪れることができない場所に一年を通じてかなりの長い時間滞在されていることが、その他の風土や民俗などに関する写真や考察を更に興味深いものにされているのではないかと思いました。
つまるところその全てが石川さんに人が惹かれる一端なのかなと。
今回は山のお話を中心にして頂きましたが、そんなことを考えると今度はもっと山以外のお話も聞いてみたくなってきます。
ということでまたいつになるかは分かりませんが、改めて石川さんにお越し頂き、そんなこんなを皆で共有できればと考えています。
写真は瞬間の直感による結果。建築や物作りもそうですが生きていく中におけるすべては考えた末であっても最後は小さな直観の集積なのではないかと思っています。
人生というものはある意味常にシャッターを切り続けているようなものなのではないか、とも思いました。
どのような直観を育むのか、「この地球(ほし)のくらし」というタイトルで石川さんにお話し頂きましたが、それは日々自分がどうくらすかなのだな、と改めて感じています。
またTALK EVENTに先立ち、月書房の本棚を石川さんの本を時系列に並べた展示販売に置き換え、写真から文章、山から民俗学、そして絵本に至るまでの様々な石川さんを見て頂けるBOOK FAIRを開催しました。
お越し頂いた方は丹波篠山市内または周辺であったり、普段から顔なじみの方も多く、そして初めてお会いする方であっても何かしらの価値観を共有する仲間なのではないかと感じています。そうした方々とこうした時間を共有できたことをとても嬉しく思います。