TANZAKU(住宅兼店舗)
/兵庫・丹波篠山
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HOUSE/住宅
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SHOP/店舗

山と人を編み直す、これからの住まいと生業の器
家づくりは、山から始まる―TANZAKU-
場所は兵庫県丹波篠山。豊かな自然と人々の営みが交差する里山に建つ、これからの地域社会における新しい住まいと生業(なりわい)の形を提案する住宅です。現在は住宅が完成し、今後は敷地内に飲食店も計画されています。
設計過程で私たちが目指したのは、市場の流通を通さず、「木を伐ってほしい人(山主)」と「木で家を建てたい施主」を直接繋ぐことでした。設計者がハブとなり、皆で山に入って木を見極め、大工の手刻みによって架構へと引き込む。そのプロセスそのものが、建築に揺るぎない地域への「根っこ」をはります。
空間を支えるのは、構造的合理性を抽出した「四畳半グリッド」。 この骨格を短冊(TANZAKU)状に連続させることで、敷地形状や暮らしの変化に寄り添うおおらかな広がりを生み出しています。
足元は、地下の水脈や土壌環境を尊重し、コンクリートのベタ基礎を避けた独立基礎を選択しました。無垢の木や呼吸する土壁とともに、大地の呼吸を止めないための合理的な解でもあります。
内部には、庭や畑という外部環境とシームレスに繋がる三和土(たたき)の台所と外居間を設けました。この広い土間空間は、地域の人々を巻き込んだワークショップによって施工され、かつての農村にあった「結(ゆい)」のような助け合いの精神を現代に再生しています。
個人の私邸でありながら、都市部から訪れる料理人が腕を振るい、地域の人々が集う時もある。暮らしの中心に食があり、小さな公共を内包することで、里山に新しい人の流れと循環を生み出す、時間と共に育っていく建築です。
TANZAKUは、私たちが考える「土に近い暮らし」のひとつの到達点でもあり、規格型住宅「minka」のプロトタイプです。